本紙既報の通り、日本農薬(株)(大内脩吉社長、本社:東京都中央区)の『平成20年9月期中間決算短信』では国内農薬販売が微減となったが、海外農薬販売の成長や三菱化学に係わる「のれん」の償却が終了したことなどにより、利益面で伸長が見られた。
ここでは、分野別の概況を見る。
〈化学品事業〉
国内農薬販売は、新製品7剤を上市するとともに、昨年春に上市した園芸用殺虫剤「フェニックス」など自社品目を中心に拡販攻勢をかけたが、流通在庫の過多と肥料などの農業資材価格高騰の影響による農薬荷動きの遅れ、流通再編の影響、さらに品目転換の遅れなどから水稲用除草剤をはじめとする既存一般品目の売上低迷により、前年同期を下回った。
また、原体販売も「フェニックス」、園芸用殺虫剤「ハチハチ」が好調に推移したが、在庫調整の影響もあり前年同期を下回った。
いっぽう、海外農薬販売は欧州、北・中南米、インド、韓国などアジアのそれぞれの地域で売上を成長させた。
品目では、殺虫剤「アプロード」、殺ダニ剤「ダニトロン」、殺菌剤「モンカット」を中心に各自社品が売上を伸ばし、海外販売全体では円高傾向にはあったものの前年同期を上回る結果となった。インド、タイへの「フェニックス」初出荷も好材料となっている。
〈工事事業〉
緑化・造園工事および芝関連工事は、公共投資の削減政策が影響し前年同期を下回ったが、利益重視の選別受注と原価低減に努めた。
〈サービス事業〉
スポーツ施設運営事業では、利用者数の増加傾向は見られるものの厳しい状況が続いた。また、分析事業は大手食品メーカーなどの新規顧客開拓に努めている。
なお、大阪分析センターに続き、本年1月に福島分析センターも登録検査機関の認証を取得し、分析事業にいっそう厚みを加えた。