飲料市場の08年は乳性飲料の値上げに続き、カゴメが果実・野菜飲料の値上げを発表、世界的な原材料価格の上昇で先行きは不透明感を増しているーーと総合マーケティングビジネスの(株)富士経済が6月11日、調査結果を発表した。
猛暑の続いた07年は前年より10%以上成長した市場が11品目となり、トップの殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)は53%弱の増加率となった。
ところが08年の10%超成長は4品目にとどまる見込み。トップは果汁飲料(果汁含有率50%以上)だが、増加率は40%強の予測。この市場は昨年、コカ・コーラシステムが撤退して大幅に減少した。そこへ伊藤園が新規参入したことによる回復を主因と見た。
2位の機能型ティードリンクは伊藤園の新製品「カテキン緑茶」の寄与、3位の国産ミネラルウォーター類は2社(サントリーとコカ・コーラシステム)の新工場による能力アップ、4位の殺菌乳製品乳酸菌飲料は「ザ・プレミアムカルピス」の通年販売による寄与などを主な要因と見た。
清涼飲料市場は07年が前年比2・1%増の5兆1403億円、08年が1・8%増の5兆2341億円を見込んだ。
07年は100%果汁飲料の値上げで量販店の特売が減り、消費も減った。野菜飲料は"1日分"訴求が弱まり、前年割れのメーカーもあり、新たな需要喚起策が求められている。
乳性飲料はカップ入りのコーヒー乳飲料が高成長を続け、またカゴメの「植物性乳酸菌ラブレ」が好調を維持している。