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【農研機構と井関農機】
減化学肥料・減農薬の露地野菜向け施用機開発

 (独)農研機構は肥料と農薬を大幅に節約できる露地野菜向けの「うね内部分施用機」...

 (独)農研機構は肥料と農薬を大幅に節約できる露地野菜向けの「うね内部分施用機」を開発したと7月16日発表した。肥料を慣行の70〜50%に、また根こぶ病防除用の農薬を約3分の1に削減できる技術とともに、井関農機(株)の共同開発で施用機をつくった。試験販売に先立つ実演会を各地で開いている。
 資材高の中で普及が期待されるが、とりわけ大規模生産でのコスト低減効果が注目される。
 キャベツやハクサイなどの葉菜類を、うねに定植する際、効果のある限られた中央部だけに肥料と農薬を混ぜた土壌を入れるのが技術の特徴。
 肥料・農薬のむだ使いを省き、余剰成分が降雨などで周囲に流出するのを防いで環境への負荷を減らすことができる。
 施用機はトラクタ装着型で、うね立ての時に肥料・農薬と土を同時に混合しながら施用する。
 うねの幅は55〜60cm、高さは15〜25cmに対応。肥料と農薬と土の混合域は幅15〜25cmの間で変えることができる。深さは20cm。
 慣行はほ場の全面に化学肥料をまいて耕起後、うね立てをするが、新技術では施肥とうね立てを1工程で行うため基肥の散布作業を省略できる。
 導入によるコスト低減は化成肥料で10a当たり3000〜4000円、根こぶ病防除剤で5500円程度を見込む。
 うね内部分施用機を3条用で100万円程度と想定すれば、肥料だけなら5〜6ha、農薬混みなら2〜3haで機械費を5年間で償却できると見込んでいる。

(2008.07.18)