クールダウンベスト |
専用保冷パック |
地球温暖化の影響もあってか、最近は初夏から中秋にかけて猛暑にみまわれる日が多くなってきている。炎天下での作業が避けられない、建設現場の作業員や農業生産者にとって、熱中症対策は欠かせない。
熱中症関連対策としては、「水分・塩分の摂取」、「適度にカラダを冷やす」、「十分な休息時間の確保」、「吸湿性・通気性の良い作業服の着用」、「作業者の健康状態の把握」などが求められている。
これらの中で、「体を冷やす」以外は、作業環境に配慮することで対応可能だが、体を冷やすためには、冷房設備や遮光設備、通風設備などが必要となる。作業現場やほ場にそれらを設置するのは、現実的に困難なことが多い。
そこで開発されたのが「クールダウンベスト」だ。軽く涼しいメッシュ素材のベストに、専用の保冷パック(首用・3連構造、肩用2連構造×2)を使用する。
水を主成分とする従来型の保冷剤は、0度前後の温度であるのに比べ、この保冷パックは、より体温に近い16度前後の保冷剤であることが、大きな特長だ。
この保冷剤は、0度の保冷剤を中心に、16度の適温剤を外周に配し、さらにその外側にエアーパッキンの層を配置した3重構造にすることで、表面温度を10度〜20度前後に保ち、皮膚に過度な冷感を与えない(特許申請中)。
開発に当たっては、▽複数の保冷剤の適切な配合割合▽保冷剤全体の適切な封入量▽半日の作業時間にあたる4時間以上保冷可能な構造と素材、などに留意し改良を重ね製品化されたものだ。
これにより、労働環境が大きく改善され、▽作業効率向上▽安全性向上▽人員確保▽企業イメージの向上▽ユニフォームの統一効果、などが図れるものと各方面から注目されている。
この保冷パックは、毎朝冷凍倉庫から、運送会社により現場に配送され、使用済みの保冷パックは回収される、という<レンタル配送・回収サービス>が行われる。現場での冷凍保管設備が不要で、在庫を抱える必要が無く、洗浄保管する手間も不要で、初期導入費用やランニングコストの削減にもなる。
経済産業省は、中小企業の異分野連携による新事業を支援するため、中小企業新事業活動促進法に基づく「新連携計画」について、平成20年6月25日付けで第20回目の認定を行った。
今回認定された計画は、近畿経済産業局管内の◎建築現場等作業員を対象とした保冷剤レンタル配送サービス及び専用ベスト販売事業{コア企業:株式会社パアグ}、の1件だけだった。
クールダウンベストに関する問い合わせは、株式会社パアグ、TEL06-6935-7055(広報担当:鳥井)まで。