溝口さんと小型製粉機 |
北海道深川市の農業、溝口公彦さんは、このほど小型製粉機を導入し、米粉の生産をはじめた。地元深川産の米を製粉し、地元のパン屋や菓子店と取引したい考えだ。溝口さんは、小麦価格の高騰が続く中、米粉の需要が増えるものと考えている。
北海道深川市は、道内有数の米産地で、「きらら397」「ななつぼし」「ほしのゆめ」の3品種が生産されている。小型製粉機を導入した溝口さんは、「以前から米粉には興味があったが、これまで小型低価格の製粉機がなかった。このたびサタケから安価な小型製粉機が発売されたということで導入した。この製粉機は調製するところが少なく、ボタンを押すだけで運転でき、操作性が良い。コンパクトなので設置場所に困らない」と語る。
サタケの小型製粉機(SRG10A)は米を1時間に10キロ製粉できる。米粉の平均粒径は90ミクロンで、米粉パンの製造に適している。製粉方式は、ロール粉砕方式(粗粉砕部)とピンミル方式(高速粉砕部)の2段階方式。
この方式を採用することで、製粉時の米粉の損傷を低減することができる。また通常、パン用米粉製造に使われている気流粉砕式製粉機に必要な水処理が不要で、設置も容易だ。
溝口さんは「製造された米粉は品質が良い。既に米粉を買いたいという地元の人からの問い合わせもある。深川産の米粉の需要はあると思う。地元の米を製粉して販売することで、地元の米の消費拡大につなげたい」と意気込みを述べた。
北空知産直センターでも米粉販売を予定 |
溝口さんは、数名の仲間と主に道内1000戸の顧客を対象にした「北空知産直センター」を運営しているが、同センターでも今後「ほしのゆめ」米粉の販売を計画している。
また地元で、米粉を使ったパンや菓子などを製造する深川振興公社では、「溝口さんの米粉は、従来の米粉と比べ遜色がない。現在は深川産の米を新潟の製粉業者に委託して製粉しているが、運送費だけでも1キロ当たり約100円かかる。地元で製粉できれば運送費分をコストダウンできる。地域経済を活性化させるためにも地産地消を進めたい。溝口さんの米粉を使い菓子やパンを試作し、最終的に溝口さんに製粉を委託するか検討する」とコメントした。