ダウ・ケミカルの100%子会社であるダウ・アグロサイエンス(本社:米国インディアナ州)の種子事業における拡張が注目される。
先に、米国アイオワ州に拠点を置くレンゼ・ハイブリッズ社の買収を明らかにしたばかりの同社だが(本紙既報)、10月15日にはドイツのズードベストザート社の買収を明らかにした。この2年間で7社目の買収で(表参照)、欧米における同社の種子事業拡張の戦略を垣間見ることができる。
同社が15日に発表した買収劇の対象は、ドイツのハイブリッドトウモロコシ企業であるズードベストザート社(本社:ドイツバーデン-ヴュルテンベルク州)。1997年の創立。ヨーロッパ向け高収穫ハイブリッドトウモロコシの育種、育成、登録、栽培を専門に事業展開し、その成長が期待されていた。
同社はフランス、ハンガリー、ポルトガル、ドイツにそれぞれ拠点を置き、豊富な経験に強みをもっている。ともあれ、ダウにとって、既存のオーストリア、オランダの視界から新天地を開拓することとなり、種子事業拡張を加速させることになる。
「ズードベストザート社は、ヨーロッパで育種技術と優れたトウモロコシ製品で信頼できる企業。買収による相乗効果で、より多くの最先端の遺伝資源を顧客に提供することができる」と、ダウ・アグロサイエンス ヨーロッパ担当種子・形質・オイル事業部長のゾーイ・ヘンダソンはコメントしている。