シンジェンタ社(スイス・バーゼル)は10月21日(現地時間)、米国・カリフォルニア州ギルロイに拠点を置く花き種苗会社「ゴールドスミス」の買収を明らかにした。同社は、花き種子の育種および生産のリーダー的会社の1つで、買収額は7400万ドル(約74億円)。
1962年設立の「ゴールドスミス」は、鉢物および花壇苗の花きを幅広く取扱い、それらの育種、種子生産および販売を手掛けている。主な取扱い作目はシクラメン、インパチェンスおよびペチュニアなど。生産設備をギルロイ、グアテマラの2か所に所有。社員数約1500名。報告されている07〜08年度の売上高は、5000万ドル(約50億円)。
一方、シンジェンタ社の花き事業は、自社開発の幅広い製品をラインアップし、鉢物および花壇苗業界における世界のリーディングカンパニーに迫りつつある。同社の07年のこの分野における売上高は、2億7200万ドル(約272億円)。
今回の措置を「買収は、シンジェンタの花事業戦略に100%合致しており、自社開発の花き種苗の製品ポートフォリオを大幅に拡充するものだ」と、同社のロバート・ベレンデス氏(ビジネス・ディベロップメント責任者)は語っている。
花き種子(種苗)事業分野において、果敢に買収劇を繰り返す外資系企業。世界的な「食料危機」が叫ばれている中で、「土」の次に大切なのは種・種苗だということを我々は考えなくてはならない。