タキイ種苗(株)(京都市下京区)が発刊している園芸新知識『はなとやさい』10月号では、『「美しく強いバラを育てる」−ハークネスローズの育種と強健な品種たち・バラの病害虫−』を特集。日本の環境に最適な「ハークネスローズ」を満載した。
バラ栽培は、冷涼で乾燥した本場のイギリスと高温多湿の日本ではそのスタートラインが異なる。日本では株の弱まりに加え、数々の病害虫の脅威がある。それらを払拭するのが、ハークネス社の「ハークネスローズ」だ。
ハークネスのバラ園は、1897年にイギリスのヨークシャーで創立され、当時、良質のバラ苗の生産農家として広く知られた。「最小限の管理で最高のパフォーマンスを発揮するガーデンローズの作出」が同社の育種のポリシー。
同社では毎年、強健な親系統を選んで交配された400〜500系統の約4万粒の試交品種のタネをまいている。そのうち次の育種ステップに進むのは50系統以下の900種ほどで、まいた中での2%ほどしか残らず、残りの約98%は廃棄される。
さらに、次のステップとして、残された約2%の株を接ぎ木によって各5株ずつに増殖したうえで露地ほ場で栽培し、ガーデンローズとしての評価を行っている。6年間のテストの中で残るのは6〜10品種で、それは初めにまいた4万粒の種子の約0.0025%だという。まさに選び抜かれた優良品種といえる。
「ハークネスローズ」は夏の高温多湿、冬の厳寒といった厳しい日本の環境条件でこそ、その能力を発揮する。