クミアイ化学工業(株)(本社:東京都台東区)の望月信彦社長は11月4日、新年度を迎え「利益の確保・増大ができる企業体質の確立」を基軸とした経営基本方針を明らかにした。
昭和3年、現在の静岡県静岡市に柑橘同業組合の一事業として農薬製造業を開設したのを創業とする同社。同年、2元メーカーの日本農薬(株)も設立され、本年、ともに80周年を迎えた。両雄の創業は偶然だったのか。
望月社長は中国製冷凍餃子問題、原油および穀物価格の高騰、さらに米国サブプライムローン問題などに言及する中、「海外では農業関連が活況を呈しているが、国内の農業環境は肥料などの値上げや燃料の高騰などにより、農業経営への打撃が大きく」、現時点では「明るい兆しが見えない状況にある」が、「会社の継続的発展のためには、全社一丸となって、自社新規剤の販売の最大化に向けた取組みが重要」であり、新年度を「新たな成長ステージへつなぐ布石の年」と位置づけた。
研究開発型企業として生きる道筋を改めて鮮明にしたもので、具体的には水稲用除草剤「KIH−5996」、畑作用除草剤「KIH−485」、果樹野菜用殺菌剤「KIF−7767」などの市場展開が期待されている。
「企業価値の向上を目指し、利益の確保・増大ができる企業体質の確立」を、今年度も経営基本方針とした。