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【アリスタ ライフサイエンス】
野菜類天敵昆虫「スワルスキー」が農薬登録取得

アザミウマ・タバココナジラミ類同時適用果たす

スワルスキーカブリダニ  アリスタ ライフサイエンス(株)(クリストファー・リ...

スワルスキーカブリダニ
スワルスキーカブリダニ

 アリスタ ライフサイエンス(株)(クリストファー・リチャーズ社長、本社:東京都中央区、以下「アリスタ」)は11月19日、新たにアザミウマ類、タバココナジラミ類に卓越した効果を示すスワルスキーカブリダニ剤『スワルスキー』(商品名)で農薬登録を取得した。2009年1月の販売開始予定。
 オランダ コパート社との共同開発によるもので、カブリダニ科に属する有効成分のスワルスキーカブリダニは地中海東部地域、イスラエル、イタリアなどに分布し、現在ではオランダ、スペイン、カナダ、韓国などを含む世界32か国で利用され、効果面などで確かな実績を残している。
 『スワルスキー』は広食性、捕食性天敵として、なす、ピーマン、きゅうり他、野菜類におけるアザミウマ類、タバココナジラミ類に対して効果が期待できることが大きな魅力となっている。
 今回の上市により、アリスタは生物農薬におけるラインアップをいっそう拡充することになり、本剤を施設園芸における基幹防除剤として提案していく。近年、コナジラミ、アザミウマの薬剤抵抗性発現が問題視され、この観点からも『スワルスキー』の登場が待たれていた。
 今回の登録は適用表の通りだが、あえて、本紙では適用病害虫のアザミウマ類、タバココナジラミ類の同時適用を果たしたことを高く評価したい。この分野における業界初の適用で、同時適用は適時適切な防除を可能とするなど、現場に即した防除機会の場面に厚みをもたせ、結果として省力化と低コストを可能とする。
 施設園芸におけるコナジラミ、アザミウマ防除では複数回処理がベースとなっているが、同剤を利用することで化学農薬の使用回数および使用量の削減が可能となり、抵抗性発現問題の回避に向けて、また1歩前進するのは必至。
 また、タバココナジラミ類「シルバーリーフコナジラミを含む」に注目したい。特に、ウイルスの媒介が問題となっており、より有効で早急な防除対策が求められている。『スワルスキー』では、当面、なす、ピーマン、きゅうりへの期待が大きい。
 なお、トマトでは「スワルスキーカブリダニ」は、トマトが分泌するトマチンの影響によりトマト植物体上でうまく活動できないことから定着できないので注意。
 シルバーリーフコナジラミは平成元年の秋、高知県で発生が確認され、当初、タバココナジラミ新系統とされた。現在ではタバココナジラミバイオタイプBとされ、さらに、近年では薬剤抵抗性の高いタバココナジラミバイオタイプQが問題視されている。
 同社では今後、『スワルスキー』の適用拡大をいっそう加速させたい意向だ。新JAS法における有機農産物生産資材として使用することが可能であり、環境保全型農業に必須の資材として、各種作物・害虫に適用拡大をはかっていく。

(2008.11.25)