中井貞雄学長 |
岩井万祐子さん |
光産業創成大学院大学(中井貞雄学長、静岡県浜松市)は11月22日、東京都千代田区の「ベルサール神保町」で、成果報告会2008『起業実践のすすめ−研究者が起業する意味−』を開催、起業実践事例2例を紹介する中で、実践することの大切さを訴えた。
「起業実践による光産業創成と、新しい価値の創造」が建学の精神だと中井学長があいさつし、光産業創成大学院大学の進むべき方向性も明示した。
最近、特に無限の可能性を秘めた光技術の応用が注目されている。光産業創成大学院大学では、この可能性に挑戦し、企業および学生とともに試行錯誤しながら「実践」を中心に取組み、産業に貢献できる人材を育成すべく学生が自ら自分の会社を設立し事業を実践している。
成果報告会2008では、「起業教育」が企業内人材育成にもたらす効果、競争社会に生き抜くための必要なマインドなどを、事例紹介やパネルディスカッションで報告した。
事例紹介は「光にこだわった新しい農業」(岩井万祐子さん、(株)ホト・アグリ代表・3年)、「光の可能性を医療の可能性に」(下北良さん、ジーニアルライト(株)代表・3年)の2例。
ホト・アグリの事業は農業用光源の開発、光制御による機能性作物の栽培・提供、光環境調査・光栽培試験など。岩井さんは、「悩みを仲間と共有できたことが良かった。農家に光は浸透していなかったが、農家目線になることによって、はじめて光を農家に結びつける可能性が見えてきた」という。
若い人の起業には壮大なロマンが |
光医療機器および光科学機器の開発・製造・販売を目指しているのがジーニアルライト。製品は、光外科手術医療機器など。
下北さんは、業界の現状を「手術用装置を開発している会社は少なく、特に日本独自の手術用光医療機器は皆無に等しい、また、光に特化した技術者と医師との直接の意見交換が今までの医療機器メーカーにはできていない」と指摘。
同氏は、「ユーザーサイドのニーズに応えるのは難しいが、しかし、応えられた時の優位性は高い」と結んだ。
【光産業創成大学院大学の横顔】
光技術の応用で 産業界に新たな視界が開かれる |
◇所在地 〒431−1202 静岡県浜松市西区呉松町1955番1 電話(053)484−2501
◇沿革 04年11月の設置で、翌05年4月第一期生入学、情報メディアセンター、リエゾンセンターなど設置、08年第一期生終了。
◇概要 標準修業年限3年、学位・博士(光産業創成)、入学定員15名、収容定員45名、試験時期9・2月の2回、試験方法はビジネスプラン審査と面接。
URL:http://gpi.ac.jp E-mail:info@gpi.ac.jp