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【土づくり推進フォーラム】
食品循環資源堆肥利用などでシンポ

「食の安全・安心」を取り戻す好機

地域ぐるみの資源循環の拡大が今後の課題(実践事例報告から。11月25日、日本教...

地域ぐるみの資源循環の拡大が今後の課題(実践事例報告から。11月25日、日本教育会館にて)
地域ぐるみの資源循環の拡大が今後の課題(実践事例報告から。11月25日、日本教育会館にて)

 土づくり推進シンポジウム『食品循環資源堆肥や肥料による農産物生産とリサイクルループ形成』(主催:土づくり推進フォーラム、松本聰会長)が11月25日、日本教育会館で行われた。緩やかながら、着実に浸透する食品リサイクル法の姿が浮き彫りとなった。
 『食品循環資源の再利用の現状とリサイクルループ形成等の動向』と題し基調講演を行ったのは、農水省総合食料局食品産業企画課の島津久樹食品環境対策室課長補佐。
 同氏は、ビジネスの中で食品リサイクルループを構築していくためには、(1)自社の販売基準をクリアする品質の農畜産物を生産できる技術をもった農林水産業者の確保、(2)その農業者らへの、品質の良い肥飼料の提供、(3)高品質肥飼料を製造できる事業者の確保、(4)高品質肥飼料の原材料となる食品循環資源の肥飼料などの製造業者への提供、(5)自社から発生する食品廃棄物を、資源として利用できる適正な分別や保管、などの必要性を強調した。
 食品リサイクル法(新制度)の施行から1年を待たず、5件の認定実績が生まれている。さらに、近く何件かが認定される見通しだ。フォーラムでは、新制度が、緩やかながら着実に浸透する姿が浮き彫りとなったが、食品リサイクルループの構築は「わが国において食に対する信頼を取り戻す好機」(島津課長補佐)だという。
 いっぽう、実践事例報告は『スーパーにおける食品循環資源堆肥利用農産物販売と今後の方向』(三吉敏郎・(株)エスコ)、『食品循環資源堆肥の製造とそれを利用した農産物直売等による地域活性化』(矢野健司・栃木県茂木町美土里館長)、『品質の良い食品循環資源堆肥生産とそれを活用した農産物の品質・収量』(古畑哲・日本土壌協会参与)、『食品循環資源堆肥の開発・利用による高品質農産物生産と土づくり効果』(金田雄二・富士見工業(株)有機資源開発研究所長)の4題で行われた。

(2008.12.02)