日産化学工業(株)は2月9日、新規殺ダニ剤『スターマイトフロアブル』(試験コード:NC−512)、『バリュースターフロアブル』(同:NC−513)の2殺ダニ剤の上市を明らかにした。
生産者はもちろんのこと、この分野に強味をもつ、同社にとっても待望の殺ダニ剤の2剤。
『スターマイトフロアブル』は、自社開発した新規化合物のシエノピラフェンを含有し、ハダニ体内のミトコンドリア内にある電子伝達系複合体II に有効成分がしっかり届き、強力に作用することで細胞内のエネルギー生産を撹乱し、ハダニを致死させる殺ダニ剤。
そのユニークな作用機構から、既存のハダニ剤に対して感受性が低下したハダニに対しても優れた効果を示し、また、ハダニ類の全ステージに対し速効的な高活性を示すほか、高い選択性によりカブリダニを含む天敵昆虫に対しても、影響が極めて小さい薬剤に仕上げられた。
適用作物は、リンゴ、かんきつ類、ナシ、モモ、黄桃、茶、イチゴ、スイカ、ナスを対象にしている。2月中旬からの上市。
姉妹品の『バリュースターフロアブル』は、シエノピラフェンとサビダニ類に卓越した効果を示すピリダベン(同社化合物で、商品名は「サンマイト」)を含有し、かんきつの重要害虫であるミカンハダニとサビダニ類の全ステージに対して速効的に高活性を示す、両害虫の同時防除が可能なかんきつ専用の殺ダニ剤に位置づけられる。3月下旬の上市予定。
同社では、生産者に「他剤とのローテーション散布を呼びかけ、キメ細かな技術普及を行う中で、息の長い殺ダニ剤として成長させたい」(同社マーケティング部)とし、両剤合わせたピーク時の売上高30億円強を目指していく。
〈問い合わせ先〉日産化学工業(株) 農業化学品事業部 マーケティング部 藤田昭彦
TEL(03)3296−8141