日本製紙（株）は３月10日、独自のバイオ技術を使い無花粉スギ「爽春（そうしゅん）」の効率的な増殖技術を開発したと発表した。
　「爽春」は森林総研が平成16年１月に開発した、花粉をまったく作らないスギの品種。スギ花粉症の克服のため広い普及が求められていたが、従来は20cmほどの挿し穂を用いる必要があったため、短期間の増殖が困難だった。
　同社アグリ事業推進室は、すでにサクラや茶の生産で成果をあげている「光独立栄養培養技術」を「爽春」に適用する技術を開発。わずか２cmほどの挿し穂で増殖が可能なので、従来の100倍の挿し穂数を確保できる。同社では他機関への技術供与などを含めて、無花粉スギの普及に力を入れていく方針だ。