中期経営計画『SG2009』において、流通・トレード分野における食料戦略を重点分野に位置づけている丸紅。
日本の需要に対し、安定的かつ価格競争力のある穀物供給を行うためには、グローバルで急増を続けている穀物需要を確実に取り込み、調達における購買力をいっそう強化することが不可欠との判断から、中国需要や欧州向け拡販によりトレードボリュームの極大化を目指している。
また、拡大する需要を補うために、同社は並行して食糧資源生産国でのサプライソースのさらなる拡充を目指し、既存の米国に加え、世界有数の穀物資源地域である南米に注力を続けてきた。
中でも、温暖で肥沃な土壌に恵まれたアルゼンチンは世界屈指の穀物資源国であり、同国における供給源確保としてカニュエラス社との提携合意に至った。
カニュエラス社は、地場に広がる穀物サイロネットワークを強みとした、独立系最大手の穀物サプライヤー。現在、国内に93拠点・58基の集荷エレベーターをもつ。
なお、アルゼンチンの農業の中核をなしているのは大豆を中心とした穀物生産。特に、大豆は97年のGMO(遺伝子組換)導入以降急速に生産量を伸ばしている。その収穫量は、実にこの10年間で約4倍に。