発表会の冒頭、高野瀬社長は「事業環境は昨年度にも増して厳しいものがある。チーズに関しては、国内消費が15%も減少し、10年前の水準まで落ち込んだ。生乳生産、牛乳消費も近直は10%減少している。消費者の低価格、節約志向は一層顕著になっている」と現状を分析した。
「消費行動の変化に応じ、価格以外の独自の価値や魅力を提案することで、新たな需要を創出する必要がある」と語り、「高品質商品を前提に、おいしさ、楽しさ、家族団らん、使い勝手の良さ、などを消費者に訴求していく」考えだ。
今秋にひかえる日本ミルクコミュニティとの経営統合については、総合乳業グループとして強固な事業基盤を確立し、最大限のシナジー効果を実現していく方向性を示した。
シナジー創出の原動力は両社の研究開発力にあるが、雪印は約3000種の乳酸菌を保有しており、ガセリ菌SP株などが商品化されている。
◆新たな価値を提案する秋季新商品
同社家庭用商品部の谷藤課長による「秋季新商品プロモーション」、業務製品事業部の和田課長による「業務用メニュー価値創出へのご提案」があり、技術研究所の瀬戸主席研究員が「雪印乳業固有の乳酸菌『ガセリ菌SP株』の健康機能」について説明した。
SP株のSPとは「スノー プロバイオティクス」のことで、雪印固有の有益な生きた微生物のこと。
秋季新商品として、家庭用商品部では「雪印北海道100『とろーりとろける芳醇ゴーダ』」など4点と改良品含め計20アイテムを発表した。業務製品事業部では「スノーパウダーシリーズ『粉チーズ チェダー』」など4点と改良品合わせて計6アイテムを発表した。
研究開発力の強化と訴求力のある新商品を提案し、乳製品の消費拡大と業績の改善を図っていく考えだ。
(写真)
上:高野瀬忠明社長
下:濃厚なコクと旨みが特長のシュレッドチーズ