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【大日本印刷】
農産物生産管理システムを開発  大日本印刷

栽培記帳など4システムで構成

 大日本印刷(北島義俊社長、本社:東京・市谷、以下「DNP」)は10月22日、センサーやウェブカメラなどを活用した農産物生産管理システムを開発したと発表した。農業経営の「見える化(可視化)」を支援するシステム。

上部に太陽パネルを備えたタイプ 昨今の、いっそう厳しさを増している農業環境のもと、農業後継者に対する農業技術の円滑な継承や生産物に関するコスト管理、食の安全・安心のニーズに応えられるシステムの確立などさまざまな課題があげられている。
 DNPでは、このような課題に対して、自社が所有するトレーサビリティシステムやIT機器を組み合わせることで、農業経営の「見える化(可視化)」を支援するシステムの構築をした。
 システムは「栽培記帳」、「原価管理」、「ウェブカメラによる監視」、「農場サーバー」の4システムから構成されている。
 「栽培記帳」では、あらかじめ登録した栽培計画に基づいて散布した農薬や肥料の実数値を、パソコンまたはデジタルペンで栽培日誌として詳細、かつ簡単に記録する仕組み。
 デジタルペンは、手書きの文字や図をリアルタイムでデジタルデータとして取り込むことができ、実作業の効率化と信頼性の向上を実現する。また、登録農薬や使用回数などの情報を自動的にチェックすることで、安全性の確保にもつなげていく。
 また、「原価管理」は、栽培計画に基づき、ほ場に投入する種苗・肥料・農薬などの資材コストや、農業機械・機器などの機械の減価償却、人件費、作業時間などを各項目ごとに管理し、作物・ほ場、作付けごとの生産原価を算出する仕組み。
地中の水分量や温度、phを計測できる さらに、「ウェブカメラによる監視」は、手間をかけずに遠隔から作物の栽培状況をモニタリングする。加えて、「農場サーバーシステム」は、大気温度、湿度、地中温度、ph値、土壌水分、肥料濃度などを測定する各種センサーを設置し、栽培環境をモニタリングしていく。
 システム一式の導入費用は500万円から。既に、九州を地盤とした南国殖産(永山在紀社長、本社:鹿児島市)傘下の農業法人への導入が決まっている。
 同社では、新たにアグリビジネスに参入する企業はもちろん、既存の農業法人に対しても、農業の「見える化」をはかる仕組みとして販促を行い、2014年度までに約10億円の売上高を目指している。
 〈問い合わせ先〉大日本印刷 広報 電話(03)5225?8220


 
 
(写真)農場サーバーシステム:上部に太陽パネルを備えたタイプ(上)・地中の水分量や温度、phを計測できる(下)

(2009.10.23)