大内会長はあいさつで「農業の担い手の減少や高齢化、耕作放棄地の増加など多くの問題が顕在化しており、一方で農産物価格の下落や生産コストの増加もあり、農業と農薬を取り巻く経営環境には厳しいものがある」と情勢分析をし、「地球温暖化問題と併せて食の安全と環境への対応について社会的な要請が高まっている。一般消費者に対して農薬の安全性への理解と信頼の向上をはかること」の重要性の再認識を業界に求めた。
来賓では農水省・農産安全管理課の朝倉健司課長が、農薬登録や残留農薬規制について国際調和が求められており「安全性向上は日本と同様にアジア諸国でもトレンドになる」と示唆し、「日本の良い面を国際ルールに反映することで、日本に拠点をもつ農薬製造企業が経営展望をもって事業が展開できるようにしていくことが重要だ」と語った。
2009年度の農薬出荷実績は、数量で前年比94.6%と減少し、金額ベースでは3400億円(同102.3%)と前年をやや上回ったものの、実質的には長期漸減傾向にある。
同会はまもなく、新事務所に移転する。農薬行政の見直しの中でよりグローバルな視点での対応が求められているが、現在活動の強化をはかり内外に向けた構造改革を進めている。
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上:大内会長、消費者に農薬の安全性への理解と信頼の向上に向けて
下:朝倉課長