厳しい状況が続く米穀業界の中で鹿児島パールライスは、精米工場の生産性向上と収益向上を実現することが急務であるとの考えのもと、新たな機器選定を模索してきたが、昨秋、高選別率と高純度率の相反する要件を高次元で実現した「トーヨー新型カラセン XCA-180 Type2」の発表を受けて、即座に選別試験を依頼した。
埼玉県のトーヨーライスセンター関東工場に足を運び、従来機では選別できないような異物を用いて自らの手で選別試験を行い、その能力を十分に検証した上で導入に踏み切った。同機種の最初のユーザーとなった。
鹿児島パールライスでは「今までの機械は、能力の半分ぐらいの流量にしないと納得のいく選別ができなかった。この機械は能力そのままの流量で流すことができ、作業時間も約半分になった」と効率化を評価。また「製品歩留りの向上により、年間200万円の収益アップが図れる」と大きな期待を寄せている。
トーヨー新型カラセンは、コメのムラ流れをなくす「クリーンフィーダー」と、不良品をピンポイントに選別する「マイクロエジェクター」の2つの新技術を搭載し、高い選別率と純度率(除去米中の異色粒の率)を両立させた次世代の色彩選別機だ。
従来の色彩選別機は、選別率を高めると純度率が下がり、純度率を高めると選別率が下がるなど二律背反の関係があった。それを両立させた画期的な色彩選別機といえる。
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上:昨年開発した新型色彩選別機「トーヨー新型カラセン XCA-180 Type2」
下:トーヨー新型カラセンと選別された除去米