同社では、かねてより九州地区が、現在また将来にわたり国内農業生産地として重要な地位を占めるという認識をもっていたが、九州における営業体制は、熊本および都城の各支店を拠点とした。種苗メーカーとしての活動が中心だった。
いっぽう、ベルデ九州は、九州全県および山口県に農薬・農業資材を中心とした強固な営業拠点をもっている。
カネコ種苗では今後、九州地区において従来からの種苗メーカーとしての活動に、ベルデ九州がもつ農薬・農業資材の販売力を加えることで、グループとして得意先に対し総合的に、かつよりキメ細かなサービスを提供できるものと見込んでいる。
2001年に農薬・農業資材などの販売会社として設立(資本金:1億円)されたベルデ九州。現在の株主構成は日本農薬32%、石原バイオサイエンス30%、三井物産20%、ベルデ九州持株会18%となっている。
今回の株式取得は「三井物産の撤退が背景にあり、引き金となった」と業界では見ているが、現在、九州地区はグリーンテック、ベルデ九州、ヒノマル、宮崎温泉堂、九州日紅の5社で寡占化している。
今回のカネコ種苗の同地区への進出は、「新たな卸の再編に向けた引き金になるとの見方と、沈静化に向け弾みがつく」との両論を業界では見ている。執行、組織、営業体制などの詳細は、この1か月余で固まる。