同社によると昨年10月以降、売り上げの落ち込みは激しく「毎月、前年同月比マイナス5〜8%」が続いているという。業務用米のほうが不振で、取引先は「必ずしも新米でなくてもいい、という姿勢」。
同社は炊飯部門も展開しているが、派遣社員の雇い止め、リストラが社員食堂への供給量に影響しているという。
同社のみならず業界全体として需要が落ちていると指摘されているが、精米に関しては「ネット販売や直売所など新たなルートができているのでは?」との見方も。
同社の09年9月期決算は、不採算取引の縮小、既存店の不振により前年にくらべ5.4%減の368億1100万円となった。ただ、炊飯・加工品事業で製造人員の見直しなど生産効率向上とコストダウンに務めたことから経常利益2600万円、当期利益2000万円と3期ぶりに黒字を達成。
消費減退が見込まれるなか、22年産の仕入れ対策については、価格面でも「市場ニーズに合う銘柄米の生産増を呼びかけるなど産地と連携を強めていきたい」と話す。
ただし、22年産の需給バランスはまったく分からない状況で「今後、価格が見える場が必要になる」。これまでは業界も政府買入れなど、いわば価格支持政策を前提にしていたが、戸別所得補償制度下では、価格形成が関係者にとって重要になるだろうと見る。
一方、産地にとっては大手量販店のニーズに合わせて「この価格でこの量を」という注文に積極的に応えて交渉し価格形成していく動きも出てくるのではないかという。