2剤は、新規殺菌剤(水稲いもち病防除剤)「スタウト」と殺虫剤「ダントツ」の混合箱粒剤。
「スタウト」は、住友化学とバイエル クロップサイエンスが共同開発した「イソチアニル」(一般名)を有効成分とした新規水稲いもち病防除剤で、いわゆる抵抗性誘導型の殺菌剤であることから、耐性菌の発達リスクが低い化合物と考えられており、既存の薬剤耐性いもち病菌に対しても高い防除効果が期待できる。
また、従来の薬剤よりも比較的低薬量で効果を発揮することも大きな特長。
いっぽうの「ダントツ」は、住友化学が開発した「クロチアニジン」(同)を有効成分とするネオニコチノイド系殺虫剤で、主要な水稲害虫をはじめ、野菜、果樹、お茶、花きの各種害虫防除剤として既に定評を獲得している。
2剤の特長は、いもち病とイネミズゾウムシ、イネドロオイムシなどの水稲初期害虫に優れた効果を示すこと。特に、「スタウトダントツ箱粒剤」においては、さらにウンカ類、ツマグロヨコバイ、フタオビコヤガにも有効といった魅力がある。
2剤ともイネに対して高い安全性を確保し、播種時処理が可能であることから、幅広い処理適期幅(播種時〜移植当日まで)使用できるメリットがある。
販売チャネルは、「スタウトダントツ箱粒剤」は協友アグリ、サンケイ化学、住友化学が、「スタウトダントツ箱粒剤08」は協友アグリ、住友化学と、それぞれなっている。
抵抗性誘導型(殺菌剤)といっても、作用は微妙に異なっているが、これまではプロベナゾール(商品名:「オリゼメート」・明治製菓)が業界をリードし、チアジニル(同:「ブイゲット」・日本農薬)が追随した。今回の「イソチアニル」は、第3の抵抗性誘導型として生産者はもとより、業界に新たな風を送り込むことは必至。