有効成分の中心となっている「イソチアニル」は、イネがもつ病害抵抗性機能を増強する作用を示す新規有効成分で、いもち病に対して優れた防除効果と長期残効性を示すほか、白葉枯病などの細菌性病害にも効果を示す。
また、は種前から田植までの期間に同じ製剤が使用できる初めての病害抵抗性誘導剤であり、育苗作業の省力化、効率化に貢献する。
【単剤】
「ルーチン粒剤」は、は種前から移植当日までの育苗箱施用に加え、移植直後から葉いもち初発3日前までの本田水面施用にも使用できる、これまでにない汎用性の高い薬剤として期待される。
【混合剤】
「イソチアニル」と殺虫剤の混合剤として、CR(コントロール・リリース)技術を応用し、は種前からの処理を実現した殺虫剤のアドマイヤーを混合した「ルーチンアドマイヤー箱粒剤」、初期害虫に優れた効果を示す「クロチアニジン」を低薬量(0.8%)で混合し、コストを抑えた「ツインターボ箱粒剤08」、チョウ目害虫に高い効果を示す新規殺虫剤リナキシピル(一般名:クロラントラニリプロール)と「クロチアニジン」(1.5%)を加えた「ツインターボフェルテラ箱粒剤」がある。
どの混合剤も、は種時から移植当日までの処理が可能で、移植後も長期間にわたり病害虫の発生を抑制することから、地域のニーズに合わせた薬剤の選択が可能。
水稲育苗箱剤で、やや遅れをとっていたかに見える同社だが、今回の製品ラインアップで、初めてこの分野のスタートラインに並んだことになり、今後の展開が注目される。