チューリップといえば、富山県。1918(大正7)年にわずか10球から生産をはじめ、93(平成5)年には、出荷数が6000万球を超える一大産地として成長した。
同県でチューリップ栽培がこれほど盛んになった背景と安心な「富山ブランド」の構築には、恵まれた気候風土ときめ細かで丁寧な手仕事による品質の良さが挙げられる。
雄大な立山連峰からの豊富な雪溶け水が行き渡る肥沃な富山平野で、さんさんと降り注ぐ春の日差しを受けてのびのびと育った球根が、美しい花を咲かせる。
いっぽうで、掘り上げられた球根は、豊かな清流で丁寧に洗い上げられ、ピカピカに磨かれる。花茎や根、古い皮などを取り除く作業もすべて手仕事。確かに、機械処理に比べると作業効率はよくないが、1球ずつ人の手で大切に扱われ、品質のよい球根だけが出荷されることになる。
他の3つの特集はガーデンプリムラ「アラカルト」、トルコギキョウ、晩生タマネギ「ラッキー」に焦点を当てており、いずれも豊富な情報を網羅し実践向き。
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「チューリップ 『黄小町』」