近年は、高温障害による米の品質低下が懸念されており、着色粒やシラタ(背ジロ・腹ジロなどの白濁米)の割合の多い米が増えてきているが、22年産米はとくに米の品質が不安視されている。
一方、消費者の米の品質に対する要求は、益々厳しくなってきている。そうした中で、精米工場内における色彩選別機の「選別能力」と「歩留り」性能は、一層重要になっている。優れた色彩選別機の導入は、他社商品との差別化を図り、生き残りをかけた商戦を勝ち抜くための有効な手段である。
JAならけんは、奈良県産ヒノヒカリを中心に、生協や量販店などに供給しているが、県内産米のさらなる普及拡大のためには、一層の品質向上が不可欠と考え、精米工場での新しい選別機導入を、最優先課題として検討を続けてきた。
そのような中、東洋精米機より「高選別率」と歩留りに深く関わる「高純度率」の相反する要件を、高次元で実現した「トーヨー新型カラセン」が発表された。
JAならけんが目指す、品質向上と高歩留りの要件に合致することを確認後、ただちに選別試験を依頼した。高混入率(2%)の米を、定格流量条件下で選別するという悪条件での試験において、「高選別率」と「高純度率」という選別結果を確認し、導入を決定したものだ。
JAならけんの櫻井工場長は「コメの品質向上と、高歩留りは、米穀企業にとって緊急の課題だ。トーヨー新型カラセンは、従来の色彩選別機にはない高い選別機能と、高歩留り性があり、高い品質の製品を供給できると確信している」とコメントした。