同剤は、日本農薬が発明し、国内ではクミアイ化学工業と共同開発した新規化合物ピリフルキナゾンを有効成分とした新規殺虫剤。
有効成分は、アミノキナゾリン構造を有する新しい骨格の化合物で、主にカメムシ目および一部のアザミウマ目害虫に対して高い活性を示す期待の一剤。平成14年よりNNI―0101のコード番号で試験展開され、安定した防除効果が確認された。
本剤は、害虫の行動を制御するIBR(昆虫行動制御剤)に位置づけられる。
野菜、果樹、茶など多くの作物に大きな被害をもたらすコナジラミ類、カイガラムシ類、アブラムシ類などのカメムシ目害虫に高い活性を示すことから、作物の安定生産に寄与するものと見られる。
また、有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤、ネオニコチノイド剤、IGR(昆虫成長制御剤)などの既存剤と異なる作用を示すことから、既存剤に抵抗性の発達した個体群に対しても高い効果を示し、ローテーション散布の基幹剤としても期待される。
さらに、昆虫における選択性も高く、多くの天敵・有用昆虫に対する影響が少ないことから、IPM(総合的病害虫・雑草管理)資材としても注目されている。
日本農薬の基本理念は、「安心・安全で長期安定的な食の確保や、豊かな緑と環境の保全・創生」にある。
フェニックス、アクセル、コルトといったタイプの異なる新規農薬の創出により園芸分野における品目ポートフォリオの一層の充実を鋭意加速させる。