アグリビジネス

アグリビジネス

一覧に戻る

【クミアイ化学工業】
自社開発新規除草剤「ピリミスルファン」剤上市へ  クミアイ化学工業

1成分かつ低薬量でノビエなど幅広い草種の雑草を防除

 クミアイ化学工業は11月15日、自社開発新規除草剤「ピリミスルファン」を有効成分とした水稲用除草剤10製剤(表参照)の11月9日付け農薬登録取得を明らかにした。混合剤開発も進め、3年後の普及面積約30万haを目指す。

 同社とイハラケミカル工業が共同開発したピリミスルファンは、1成分でかつ低薬量(5.0〜6.7g a.i./10a・)で、ノビエをはじめとする一年生雑草、多年生雑草およびSU(スルホニルウレア)剤抵抗性雑草まで幅広い草種の雑草を防除でき、水稲および人畜に対して安全性が高く、環境負荷の少ない、画期的な新規水稲用除草剤。
 「ベストパートナー」は、単一の有効成分による初めての初中期一発処理剤であり、2成分剤であるオキサジクロメホン混合剤の「マイウェイ」、フェントラザミド混合剤の「ヤイバ」とともに減農薬栽培対応をはじめ多様化したニーズにマッチした有力剤。
 クミアイ化学工業では「ベストパートナー」、「マイウェイ」、「ヤイバ」各剤の1キロ粒剤、同社独自の省力製剤である豆つぶ剤、ジャンボ剤と剤型を揃え、田植同時処理に対応可能な「マイウェイゼロ1キロ粒剤」とともに、JA全農グループを通じて新農薬年度より上市する。
 その他の混合剤開発も順次進めており、上市3年でピリミスルファン剤全体で、水稲栽培面積160万haうち、ほぼ20%に当たる約30万haの普及面積を目指していく。
 なお、同日付けで農薬登録を取得した日本農薬の「ムソウ1キロ粒剤」は、ピリミスルファンとメフェナセットの混合剤で、日本農薬が普及展開。
 ()「g a.i./10a」は、10a当たりの有効成分。a.i.は、アクティブ イングリーディエントの略。

「ピリミスルファン」を含有した水稲用除草剤10製剤
 【解説】最近の水稲用除草剤の情勢を見ると、問題雑草に対応した性能が期待されている一方で、環境保全や食品の安全性を考慮した農薬の利用が求められている。
 今年から普及展開に入ったテフリルトリオンを含有した薬剤は、2成分でSU抵抗性雑草をはじめ多くの雑草に効果がある。
 ピリミスルファン剤は、ノビエをはじめとする一年生雑草、多年生雑草およびSU抵抗性雑草にも効果がある期待の一剤。
 本格派の成分数が少ない一発処理剤で、他にプロピリスルフロン(住友化学)、メタゾスルフロン(日産化学工業)などが開発段階にある。

(2010.11.17)