村田興文社長は「レジスタンス ブレーカー」という農薬開発の方向性を明らかにした。
それは一部の病害虫、雑草に抵抗性がついてしまった有効成分、本来の力を他の対策成分と組み合わせることで、抵抗性問題を解決するもの。
MXは、オーストラリア原産の低木樹「金宝樹」が持つ他の植物の成長を阻害する天然除草活性成分(アレロケミカル)の構造をモデルとして開発された。最初の農薬登録は2001年のドイツで、現在では、トウモロコシ、サトウキビなどで登録がある。日本での登録は、10年5月19日付け。
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シンジェンタの農薬開発の方向性を語る村田社長
今回市場投入したのは「アピロトップMX1キロ粒剤75」、「同51」(商系チャネル)、「アピロキリオMX1キロ粒剤75」、「同51」(系統チャネル)の2製品4タイプで、ピリフタリド、プレチラクロール、ベンスルフロンメチル、メソトリオンの4種混合剤。
水稲初中期一発剤の基幹品目に位置づける。ホタルイ、コナギ、ミズアオイなどのSU抵抗性雑草に極めて高い除草効果を発揮し、従来の対策成分より低薬量で抵抗性雑草を抑制する。抵抗性対策成分、メソトリオンは効果の発現もスピーディで約7〜10日で効果を確認できる。イネに対する高い安全性、田植同時処理への展開も大きな魅力。
11年3月には、初期一発剤の「マキシーMX1キロ粒剤」の市場投入が予定されているほか、将来的にはMX混合剤7種をラインアップさせ、5年後の40万ha(全水稲面積の25%)の普及面積をめざす。
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上:天然由来の除草テクノロジー
下:抵抗性雑草をパワフルに、しかもスピーディに抑制