ピリミスルファンは、1成分でかつ5.0〜6.7g a.i./10aと低薬量で、ノビエをはじめとする一年生雑草、クログワイ、オモダカ、コウキヤガラなどの難防除雑草を含む多年生雑草およびSU(スルホニルウレア)剤抵抗性雑草まで幅広い草種に高い効果を発揮する新規除草剤。
最大の特長は、これまでの一発処理剤と比べ使用薬量が極めて少ない上に、人畜および環境生物に対する安全性が非常に高いこと。
また、作物への残留が無く、後作物への薬害や残留の影響もないことから、人と環境に優しい環境保全型の除草剤に位置付けられる。
同社では、ピリミスルファンの効果を効率的に最大限発揮させるため、複数の制御技術を組み合わせた「ハイブリッドリリース技術」(別掲)により水変動に強く、残効性の長い製品に仕上げた。 今回上市するのは「ベストパートナー剤」、「マイウェイ剤」、「ヤイバ剤」で、それぞれ1キロ粒剤、豆つぶ250、ジャンボの3タイプを持つ。「マイウェイ剤」には、田植同時処理も出来るゼロ1キロ粒剤もある。
ピリミスルファン剤全体で、30万haのシェア獲得を目指す。
なお、会見後に開催された上市記念パーティにはJA全農の山?周二肥料農薬部長、日植調の小川奎会長らが駆けつけ、本剤の日本農業への貢献を祈念した。海外原体が多い中で、本原体は純国産であり、同社の開発力の高さを示した。
会場では、「系統メーカーが元気になってきた」という意見も交わされた。系統が元気になれば、日本農業は元気になる、との印象が強い。
◆生産現場および社会的ニーズに対応
【石原英助代表取締役専務・研究開発本部長の談話】
新たな初・中期一発剤を開発するに当たり、日本の農業現場でどのような製品が欲されているか、様々な面から熟慮を重ねた。
使用される農家の方が求める性能、消費者の皆様が望む食の安全性、地球規模での環境への配慮などあらゆるニーズに合致した製品開発を目指し、真摯に考え、ドラッグデザインした数多くの候補化合物から当社の基盤技術を結集させ選抜を行った結果、ピリミスルファンの発見に至った。
この度、当社がこのように総力を挙げて開発したピリミスルファンが漸く陽の目を見ることとなり、感無量。
必ずや、皆様のご期待に沿う剤であることと確信しており、本剤が当社の経営基盤を支える柱となり、同時に日本の穀物生産の一助となればと願っている。