実売2年目で33万haの水田面積に相当する普及を達成した「ピラクロニル剤」のコンセプトは、抵抗性を含む難防除雑草対応、地域防除暦・特別栽培米防除暦などへの採用、田植同時処理による省力化など。
平成20〜21年に行った展示圃アンケート結果でも、除草効果に優れる49%、薬害がない99%、総合的に満足80%、と高い評価が実証されていることも普及に弾みをつけたと考えられる。
また、「ピラクロニル剤」開発の基本的な考え方は、ワイドスペック(幅広い殺草力)のヒエ剤として一発剤の基幹成分、水稲に対する高い安全性と田植同時処理が可能な成分、今後拡大が予測される難防除広葉雑草対策成分、処理適期幅の広い湛水直播除草剤などがあげられる。
今後の開発展開は、オモダカ、クログワイなどの難防除・特殊雑草への適用拡大、湛水直播除草剤および乾田直播用茎葉兼土壌処理剤開発、単一成分一発剤への可能性の検討などが考えられている。
なお、同社の決算は、園芸剤で落とすも、この「ピラクロニル剤」の躍進により、前年を上回った。
(写真下)小【高】根社長
※【 】内の字は正式には旧字体です。