パックご飯加工設備は、サタケが平成21年に発表したレトルト米飯の製造装置で、「加圧・マイクロ波加熱製法」というサタケ独自の技術を使っている。
この製法は、無洗米と水の入ったトレーに圧力を加え、マイクロ波を照射し加熱するもので、米の浸漬・アルファー化・殺菌が短時間ででき、同時に米粒の表面に硬い層が形成される。
そのため、炊き込みご飯などの具材供給後の加圧加熱工程(高温殺菌)で長時間高温で加熱しても、べちゃっとしたご飯にならず、ツヤ・粒感のあるもっちりした食感のご飯に仕上がる。
永岡商事は、主に自衛隊向けにレトルト食品や飲料水などを納入している。
21年、同社幹部が「加圧・マイクロ波加熱製法」で生産したサタケの「楽メシ」を試食し、これまでのパックご飯では実現できなかった食感と食味の良さに驚き、設備導入の検討を始めた。
その後、サタケ本社内のテストプラントで、自衛隊仕様の試作品を生産し自衛隊に納入したところ、好評であったため正式にパックご飯加工工場建設を決定した。
22年9月17日、東広島中核工業団地で新工場建設に着工、2011年1月11日に竣工した。サタケとしてもパックご飯加工設備の第1号となった。
現在、自衛隊向けとして6種類のパックご飯(製品名:マイクロレボライス、内容量:各300g)を開発、1時間に600食の生産能力がある。すでに20万食の注文があり、年間130万食の納入を計画している。
永岡商事の永岡政明社長は、「楽メシを食べてその食感に驚かされた。このようなパックご飯を長年待ち望んでいた。まさに革命的であり、製品名も『マイクロレボライス』と名付けた。これからどんどん販売していきたい」と意気込みを語った。
(写真)
上:パックご飯工場外観
下:マイクロレボライス生産の様子