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【農水省環境バイオマス政策課】
国際的な動向を視野に「バイオ燃料利用推進対策セミナー」開催  農水省

 農水省環境バイオマス政策課は3月7日、東京都千代田区の経団連会館国際会議場において「バイオ燃料利用推進対策セミナー」を開いた。

バイオ燃料利用推進対策セミナー バイオマス資源の有効活用については、平成21年9月に「バイオマス活用推進基本法」が施行された。今後の取り組みの加速化が課題だ。
 日本では、輸送用バイオ燃料として、バイオエタノールの生産が始まったが、これからは様々な課題を克服した上で、バイオ燃料の生産・利用の拡大を推進することが必要だ。
 セミナーでは、農水省の深水秀介バイオマス推進室長が主催者を代表して「平成22年12月にバイオマス活用推進基本計画が閣議決定された。今後のバイオ燃料の利用・活用拡大を期待している」とあいさつした。
 国内外の取組事例紹介として、三菱総研の奥村重史氏が「ブラジル現地調査結果」を、北海道バイオエタノールの藤井俊幸氏が国内での「バイオエタノール製造事業」について、それぞれ報告した。
 ブラジルのエタノール産業が成長したのは、石油危機を契機に1975に開始されたプロアルコール政策(補助金によるエタノール生産企業の増加、E-5燃料の義務化、E-100自動車・フレックス車の開発など)の実施が大きな要因。サトウキビの研究開発による成果(品種改良による収量増加、コスト低減)、バイオエタノール給油設備の全国的な設置など、官民挙げてインフラ整備に取り組んだことも大きい。
 問題としては、砂糖の国際価格が上昇するとエタノール生産量が減少すること、収穫作業の時に作業員の安全対策として火入れ(切り傷、毒蛇などの対策としてサトウキビの葉を焼却すること)をしているが、それが大気汚染、CO2排出の要因となっていること、などを指摘した。
 日本においてバイオ燃料の利用促進を図るには、ブラジルでのプロアルコール政策のような、初期段階での施策誘導が重要であり、中長期的な視点での産業育成に向けた官民の連携が必要だと、奥村氏はまとめた。

(2011.03.09)