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【バイエル ホールディング】
売上高は前年比5%増の約2315億円  バイエル ホールディング

 バイエル ホールディングは4月14日、2010年度(1月―12月)の日本のバイエルの売上高を発表した。売上高は前年比5%増の2315億4000万円となった。ヘルスケア、素材科学で伸長を見せたが、農薬は減少した。

◆ヘルスケアと素材科学伸長するも、農薬は減少


 ヘルスケア事業の売上高は、薬価改定の影響を受けつつも、主要製品の売上げが順調に推移し、前年比7.2%増の1644億2500万円となった。
 一方、農薬事業の売上高は、321億5400万円、前年比11.2%と減少した。高水準の流通在庫量や厳しい市場環境、天候不順などが大きく影響している。
 素材科学事業は、特に電気・電子関連業界と自動車業界の景気回復に支えられたことや、グループで進めていた業務の効率化により、売上高は349億6000万円で前年比13%の増加となった(表参照)。

2010年度の主要データ


◆農薬事業で水稲用大型新規剤を市場投入

【ヘルスケア事業グループ】
 高リン血症治療剤「ホスレノール」、抗悪性腫瘍剤「ネクサパール」、高脂血症治療剤「ゼチーア」、MRI用肝臓造影剤「EOB・プリモビスト」などの戦略製品が事業の成長を牽引し、市場成長率を上回る成長を実現。
 また、動物用薬品事業は、10年春に発生・拡大した口蹄疫問題に迅速に対応するために、複合次亜塩素酸系消毒薬「アンテックビルコンS」の緊急輸入を行い対応した。
【農薬関連事業グループ】
 10年は、水稲向けの大型新規剤「ボデーガード」、「ポッシブル」、「ルーチン」シリーズを市場投入した。また、戦略上重要な水稲、果樹・茶、野菜、畑作の4作物群に注力した。
 一方、エンバイロサイエンスについては、芝用殺菌剤「デディケートフロアブル」と芝用除草剤「ウィーデンWDG」を10年に上市し、製品ポートフォリオを強化した。
【素材科学事業グループ】
 世界的な経済の回復を受けて、自動車業界、電気・電子業界向けの事業が好調に推移した。グループに成長の可能性を広げるカーボンナノチューブ(CNT)や機能性フィルムなどのマーケティング活動を積極的に展開している。

           ルーチン   ボデーガード

(2011.04.18)