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【出光興産】
SDSを連結子会社に 化学農薬の開発めざし  出光興産

 石油とその関連製品の製造・販売大手の出光興産は5月10日、農薬の製造・販売会社の(株)エス・ディー・エス バイオテック(以下、SDSバイオテック)を連結子会社とするため、普通株式と新株予約権の公開買い付けを行うことを決めた。公開買い付けは普通株式1株960円で、5月11日から6月8日まで行う。

 出光興産は「ボトキラー」「タフブロック」「バイオリサ」などの微生物殺菌・殺虫剤など生物農薬の開発・販売を行い、環境保全型農業の推進に取り組んできた。
 しかし、生物農薬を効果的に使うためには化学農薬を補完的に使うことも不可欠であるため、化学農薬の開発・販売への参入や今後の海外展開も視野に入れて、「ベンゾビシクロン」「カフェンストロール」などの水稲用除草剤に代表される化学農薬の有力原体のほか、環境保全型農業への対応剤も持つSDSバイオテックとの資本業務提携を決めた。
 公開買い付け成立後、両社は、▽天然系農薬など大型新規剤の共同開発、▽農業資材などを販売する出光アグリ(株)向けの商品の開発・販売、▽アジアを中心とした世界市場への進出、などで業務提携を行う。
 現在、SDSバイオテックの筆頭株主である「エム エイチ キャピタル パートナーズ ツー、エル、ピー」が持つ418万1500株(所有割合53.39%)を、買い付けの下限として、同社の株式市場価格にプレミアムを付けた1株960円で買い付けを行う(5月9日時点の終値平均値は430円)。
 応募株式に上限は設定しない。もし応募株式が下限数に達しなかった場合は、すべての買い付けを行わない。

(2011.05.11)