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【住友商事】
ルーマニアで総合農業事業展開へ 現地トップシェアの資材販社を買収  住友商事

 住友商事は7月22日、ルーマニアの農業資材販売会社大手Alcedo S.R.L.社(アルチェド社)の株式90%を取得することで合意したと発表した。住友商事は将来的に同国内で総合農業事業の展開をめざしており、同社が海外で多角的な農業関連事業に乗り出すのは初めて。

agur1107281101.jpg アルチェド社は1990年設立。主に農薬、種子、肥料を販売する卸問屋で農薬販売シェアは16.96%と国内トップ。同国の中規模農家総数9500戸のおよそ3分の1となる3500戸と取引がある。資材販売のほか、作物の買い取りと実需者への販売事業も手がける。
 住友商事は同社を子会社化することで、販売事業の強化だけでなく、作物の買い取りと販売、農機のリース、農業保険の取り扱い、ファイナンス業務などの総合農業事業の展開も視野に入れており、10年後の年間売上高目標を2010年比で倍となる1億ユーロとした。
agur1107281102.jpg 住友商事ではアルチェド社買収について「(ルーマニアは)日本の約4倍という肥沃な農地面積を持ちながら、穀物の1haあたり生産量はフランスの3分の1ほどしかない。日本の優れた農業技術や資材をより積極的に、生産者へ直接届けることによって、同国の農業発展に貢献したい」(同社アグリサイエンス部)としている。同社では今回の買収をモデルケースとして、世界各国で同様の事業展開をしていきたい考えだ。

(写真)
上:アルチェド社が保有するサイロ。
下:同社の顧客農家で看板を立てたデモトライアルを行っている。同社の種子や農薬を使い、その結果を披露することで翌年の購入につなげるという普及活動の一環。

(2011.07.28)