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【農研機構】
輸送中の傷みを防ぐイチゴ包装容器開発  農研機構など

 輸送中の果実の傷みを大幅に軽減できる包装容器を開発したと農研機構が9月1日発表した。

 長距離輸送が難しかったイチゴなど軟弱果実の悩み解消に応えるもの。これまでよりも簡易なダンボール包装やレターパック、手土産用パックなどアイデアを生かした様々な販売形態が可能になるという。
 農研機構・九州沖縄農業研究センターと日本トーカンパッケージ(株)(東京)が共同開発した。
 合成樹脂製の容器の裏側に伸縮性フィルムを接着して、果実とホールトレーを挟み込むように固定し、果実の動きを抑える仕組み。 宅配便の長距離輸送テストで効果を確認した。新容器は「フルテクター」という商品名でトーカンから市販されている。
 容器自体が外装を兼ねているので、従来のような二重折りにした丈夫な段ボールを外箱に用いる必要がない。

 日本産イチゴは東南アジアの富裕層を中心に人気が高く、輸出が本格化した2004年から4年間で約11倍に急増し、2010年度実績は金額で1億8500万円に達している。このため輸送中の痛みによる品質低下の防止は大きな課題だった。

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【ホールトレー】
 一つひとつのくぼみ(ホール)に果実を収められるようになっているトレー。ポリスチレンや不織布などでできた緩衝材で、イチゴの場合、主として贈答用に用いられている。

(2011.09.02)