地中海沿岸で生まれ、世界各国に広がっていった水仙。スペイン、ポルトガルを中心に約35種類の原種がある。
日本には室町時代に中国から入ったとされ、今では子どもから大人まで、誰もが知る早春の花として広く親しまれ、愛されている。「園芸通信」には13名の作家を登場させたが、ここでは2名の作品を紹介。
「燕も來ぬに水仙花、大寒こさむ三月の風にもめげぬ凛々しさよ」。シェイクスピアの戯曲「冬物語」の中の一節「パーディタの花づくし」として知られる台詞(上田敏訳「海潮音」より「花くらべ」)。凛々しく春の到来を謳い上げた。
また、与謝野晶子は「白鳥が生みたるもののここちして朝夕めづる水仙の花」(「与謝野晶子歌集」)と「純白」と形容するのが相応しい白花の水仙を白鳥の羽に見立てた。光を跳ね返す白さを、眩しいほどに見事に謳い上げている。
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