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【富士経済】
植物工場など新農業システム、700億円市場に

 富士経済は植物工場や栽培管理などのIT技術、天敵や微生物農薬など、従来の手法とは異なる農業関連システム・機器・資材など5分野20品目を対象に、平成23年の国内市場を調査し、3月29日に結果を発表した。市場規模は697億円で前年比1.7%減だったが、24年は1%増えて704億円、31年には3割増えて897億円に達すると予測している。

 レポートでは、23年が前年比減となった要因として、東日本大震災の影響のほか、21、22年に植物工場の普及や拡大がすすみ市場が拡大した反動だとしている。しかし、24年以降は食の安全・安心への意識の高まりや農業の省力化のニーズが高まり、再び増加に転じると予測している。
 注目の市場としてあげているのは、植物工場などの養液栽培プラントだ。23年は73億円だったが、31年には倍の152億円になると予測している。特に人工光のみで栽培する「完全人工光型植物工場」は、小売店や外食店がコンテナやショーケースなどを利用し育てたその場で販売する「店産店消」型が増えるとの予測から、23年は施設面積5100平方mで市場規模21億円だったものが、31年には約3倍の1万9000平方m、67億円になると見込んでいる。
 そのほかの注目点として、農場の遠隔管理や鳥獣害対策、栽培環境のデータ収集などでIT技術の導入がすすむことや、育苗・栽培システムの開発により漢方薬や化粧品の原料となる甘草の生産が増えることを予測している。

人工光型植物工場の国内市場推移予測

(2012.04.09)