蒲生誠一郎社長(写真左)はあいさつで「景気動向はマイナス要因を抱えているが、日本の農業は、震災復興や6次産業化の進展も含め、活性化が期待される」と語った。また、6月26日の株主総会で社長を退任することを表明した。
同社では、日本の稲作農業を先導してきた田植機「さなえ」が、誕生40周年を迎えたことを期に、田植機分野では、低コスト農業(ソフト・ハード)の提案をはじめ、「低コスト・省力化、安全・安心、高性能」をセールスポイントとした「さなえ」PQZ3シリーズの投入、疎植栽培拡大に向けた取組みなどで、積極的な営業を展開していく。
疎植栽培は、低コスト稲作農業の決め手として、各方面から注目されている。平成23年度の作付け実施面積は、同社の把握している数値によると、1万1456haだったが、平成24年度は1万6000haに拡大している。新投入の「さなえ」PQZ3シリーズは、37株/坪植えの、疎植株間標準装備機だ。
海外戦略では、補助金政策などによる中国市場の農業機械化の進展に対応し、田植機、コンバイン、野菜移植機、たばこ移植機などを積極的に投入していく。たばこは中国が世界最大の生産国であり、中国のたばこ栽培体系に合わせた移植機の動向は、注目される。
災害復興支援対策では、農水省の委託事業(食料生産地域再生のための先端技術展開事業)として「土地利用型営農技術の実証研究」に取り組んでいく。具体的には、「密播疎植」や作物の生育状況を感知し、施肥量を調整する「可変施肥」、稲〜麦〜大豆〜稲の2年3作体系の実証などだ。
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