写真家の秋元良平さんと評論家・作家の吉武輝子さんが絵本『101のひとみ』(教育画劇刊)を作り、その出版記念パーティーが、4月9日東京・青山の子どもと女性の本の専門店「クレヨンハウス」の地下レストランで開かれた。
秋元さんが撮影した51匹の犬の写真に、吉武さんが犬のひとみに表れた飼い主への思いを言葉にしたもの。多くの人にそれぞれの感性でこの絵本のメッセージが受けとめられれば、との願いが込められている。
この日会場には、作家でクレヨンハウス創設者の落合恵子さん、脚本家の小山内美江子さん、元社会党委員長の土井たか子さんらがにぎやかに顔をそろえた。
女優の竹下景子さんが、かわいい犬たちのスライド写真にあわせた吉武さんの純粋で愛情あふれる文章を朗読し、また作曲家の上野陽子さんが絵本のイメージで作曲した旋律を、シャンソン歌手のクミコさんが歌った。愛くるしい犬の写真とあたたかい言葉に会場は終始なごやかな歓声やほほえみに包まれた。
集まった人たちからの、「吉武先生はいつも元気」、「この場に来てがんばるパワーをもらった」との祝辞は吉武さんの明るい人柄を映し出した。吉武さんは最後に「決してあきらめず、常に前向きであること」というモットーと出版の喜びを語った。
吉武さんの著書は数多いが、絵本の執筆は初めて。あとがきで「…世界で一番短い詩の世界に踏み込んでいるわたくしがいた」と記しているように、この絵本はとても短い言葉でありながら、犬の心の中が読者にひしひしと伝わってくる。秋本さんの写真と、吉武さんの言葉が織りなす一体感が、読者にさまざまな感情を芽生えさせる。小さい子どもでも読める写真集の絵本だ。