ここでの「限界集落」は、ムラの住人が取り返しのつかない事故を起こしても「想定外」の一言で反省もない態度へ、堪忍袋の緒が切れたという我慢の限界である。
代表は原発ムラである。トップレベルの科学者、技術者。電力会社。時の総理がラッパを吹いて高級官僚が予算と権限を駆使して国策にした、このようなムラの住人が住んでいるところが「限界集落」である。
二番手は、地震学会である。地震は予知が可能でデータをたくさん集めることで精度を上げることが出来るとして膨大な予算を獲得して使っているが、3.11の地震、津波には全く無力であった。その後頻発している地震の警報も全部起きてからの後追いである。このようなムラに共通しているのは、原発の「安全、クリーン、安い」の神話に対して専門的な立場から危険性やコスト、地震が起きる断層にある原発の立地、特に使用済核燃料の処理などに警告を出した科学者、技術者の意見は原発を推進する上で邪魔な意見として研究費の配分、教授ポストで露骨な“ムラ八分”にしていることである。
このようなムラの住人が好き放題をしているのを助けているはマスコミであり、評論家である。このような応援団は広告料、出演料、その筋からの圧力に弱い。
次は年金ムラである。老後の生活の資金として若いうちから収入のなかから高額の掛け金を長年払ってきた。いよいよ年金生活に入る時になって資金がないので減額だと当然のような顔をしている。これでは詐欺にあったようなものである。
公務員の退職給与金(退職金と公的年金の上乗せ分)が民間の平均よりも400万円多いので公務員の方を減らすという。この格差は、2006年の調査では民間の方が60万円多かったが2008年秋のリーマンショックをはさみ、民間の支給額が減ったので逆転したことによる。格差解消は官を減らすのではなく、民間の支給額を元に戻すのが正しいやり方である。AIJに象徴される年金ムラの管理、運営のいい加減さに受給者は我慢の限界を超えている。
限界集落はみな東京の真中にあり、住人は大きな椅子に座って下を見下ろしている。