わたしはアクリルタワシに目がない。直売所では必ずコーナーを探し出し、気に入ったものを購入して東京へ戻ります。思いがけない作品に出会うと、友人へのおみやげに、いくつも買い込みます。かさばらない、形がいろいろで楽しい。手頃な値段は、さし上げた方へ、余分な気遣いの負担をなくし、気軽に受け取ってもらえます。
生まれて初めてアクリルタワシを購入したのは、‘01年の初冬。宮城県丸森町の「不動直売センター」でした。同県角田市豊室で、地域の、また農業のリーダーとして数々の栄誉を受けられた岸浪芳夫さんの運転で筆甫(ひっぽ)神社へ向かう途中の直売所です。
カワイイ!!
思わず手をのばしたのが。コースターでもなく、鍋敷きには小振り…。品名は他用途タワシ。2枚入っていて250円也。わたしにとっては未知との遭遇でさっそく店番の方へ質問。これが噂のアクリルタワシだったとは。あまりのかわいさに未使用のまま。わたしのアクリルタワシコレクションの始まりでした。上滝婦人部の作品です。
目を引く色あわせのコツ
はソフトな薄茶色とクリーム色の間に、緩衡地帯として、どんな色も引き立てる白を利かせて、品よくまとめてあります。は山形県遊佐町「道の駅・鳥海ふらっと」で見つけた土門テル子さん作。モダンに白をいかしたインパクトのある例。テル子さんは、アクリルタワシには弾力が不可欠とおっしゃる。ボール状のものは、先月紹介した遊佐の三ノ俣(みつのまた)農林漁業体験実習館「さんゆう」で購入した渡辺悦子さんの作。濃淡の茶色の糸に白の毛糸が、アクセントとして利いています。
はカラフルな色使いで成功した渦巻き型。風車のようでもある動きのある編み込み。3色から4色の色使いをしていますが、ダイナミックな構図で、モダンに。作者は、菅原アイさん(土門テル子さんの母上)。実の赤とへたの緑が元気をくれるトマトは、2枚あわせで渡辺悦子さんの作品。
されどタワシ
実用品とはいえ、三度の食事の片づけに、気に入りの形、色を選びたいと思うのは、わたしだけでしょうか。「今日も、よく食べてくれた」「食が細いが…」等々、洗い物をしながら、家族の様子をそれとなく気にかける。昼の仕事に疲れたからだだからこそ、手にするタワシの形や色で、気持ちもなごんだり、張ったりするのでは…と思いますが、いかがでしょう。
地域の環境にも一役
油で汚れた食器や、調理器具も、あらかじめ、古新聞をもんで、汚れをふき取っておけば、このタワシだけで洗うことができます。「さんゆう」で働く板倉裕子さんによると、アクリルタワシには、リピーターが多いとのこと。さらに、直売所で頼もしいのは、JA女性部の手作り石鹸研究会の石鹸が、必ず置いてあるということです。
手作り石鹸作りは、全国各地で展開されています。わたしとアクリルタワシを結びつけて下さった岸浪芳夫さんは、角田市社会福祉協議会理事も務められたお方で、角田市の通所授産施設「のぎく」に案内していただいた時には、EM固形石鹸作りを見学することができました。(写真)また、地域婦人団体連絡協議会が中心となって、米のとぎ汁に糖みつを混ぜ、市販のEMを加えた発酵液を使っての、下水路や川、プールの水質浄化活動を、‘04年から本格化させてきました。「蛍が舞う川に戻ったんですよ」、久しぶりの電話では、岸浪さんのお声がはずんでいました。
竹炭竹酢液配合石鹸 髪から顔、全身に。
丸森町で、もうひとつ購入し、今も続けて使用しているものがあります。「竹炭工房ひっぽ」の石鹸です。竹酢液入りなのでリンスは不要となりました。石鹸の純度は96%です。アレルギーの方々のリピーターが多いそうです。炭石鹸はブームで、いろいろ商品化されていますが、必ず表示の純度と内容をお確かめ下さい。わたしは、化学物質無添加のこの石鹸ひとつで全身を洗います。排水も安心、シャンプーやリンスの容器をゴミで出すこともなくなりました。