ご縁がどんどん繋がっております。前回、紹介した『1978庄内平野――山形県東田川郡余目 米作りの町』グラフィカ編集室発行の著者、丹野清志さんと電話でお話しすることができました。現在は福島県白河在住。その写真の中に旧余目、現庄内町の踊る百姓、阿部利勝さんの文と写真を見つけて驚きましたが、今度は丹野さんの口から、家の光協会の大金義昭さんの名前が…。実は旧知の方で、執筆された『おんなたちのルネサンス――大地の女神(ルビ:ミューズ)に乾杯!』富民協会、『風のなかのアリア――戦後農村女性史』ドメス出版は、わたくしが装幀させて頂いた本です。
丹野さんが写真集の巻末に書いておられる「日本の稲作小史」の試験場育成品種では、前回コラムで紹介した『浪漫・亀の尾列島』からの文が引用されています。
(写真)『風の中のアリア―戦後女性農民史』大金義昭著・ドメス出版
◆この人に会いたい。
掲載されている写真はどれも素晴らしい。広々とした庄内平野のロングショット。水を張った田から始まり、刈り取られたあとの雪の田まで。笑顔から闘争の厳しい顔。幼い子等、パート仕事の女性、盆踊り…。稲刈りでの安堵と誇らしさの混った顔。パートナーと、家族と、仲間達と。ページを操る度になつかしさが沸いてくるのは、一体どういうことなのでしょう。わたくしは無性にこの方たちに会いたくなりました。31年後のいまの…。
(写真)写真集より
◆思い立ったら止まらない。
わたくしの性癖です。自分では突発性発心(ルビ:ほっしん)症と名付けております。二十数年前きものを仕事着にとひらめいた時には翌日から実行しておりました。マイ箸携帯も同じ頃、同様に。
実は10月3日、庄内町響ホールにて朗読や語りを交えたコンサートが催されます。メンバーは評論家の吉武輝子さんが団長で、俳優の岩崎加根子さん、高田敏江さん、竹下景子さんほかの7人。「ななにんかい」の皆さまを、わたくしがお連れします。昨年、この会の立ち上げ公演が終った会場からすぐに、庄内町助役奥山賢一さんに電話。響ホールでの公演を打診し、2日後には了解を得ることができました。響ホールの10周年記念事業を一年後にひかえていたことが幸いでした。庄内町からの条件はその事業を柱に、町民参加型コンサートにして欲しいの一点でした。ホール育成、助成団体の合唱団、邦楽のグループ、キッズバレエ教室のメンバーとの共演。
◆「愛と誇りと」
公演のタイトルです。団長の著書の題名から頂きました。まさしく庄内町にふさわしいと。
丹野さんの写真集に登場した方々のお顔は「愛と誇り」にあふれています。庄内町で大地と人との響きあうこの本の写真展が実現できないものか…。登場のナイスガイ、庄内おばこの方々にお会いしたいと思うのはわたくしだけではないはず。次のわたくしの夢です。
(その一の記事はこちら)
(写真)ななにんかい庄内町公演チラシ「愛と誇りと」