前回紹介の山形県庄内町響ホール10周年記念コンサート「愛と誇りと」、10月3日無事終えることができました。住民参加型での出演者との共演も大好評。ホールの助成団体、男声、女声、児童合唱団、キッズバレエ、太鼓のグループとの共演、コラボレーションは充分にリハーサルの時間が取れなかったにもかかわらず、見事にまとめ上げられたのです。
◇舞台人の底力
オープニングはあまるめ飛龍太鼓、キッズわだいこ、20人の演奏。500人収容の会場の大舞台。「ななにんかい」代表吉武輝子さんの打つ拍子木、東西、東西の口上で幕開け。
一番手は、俳優の岩崎加根子さん。白地に墨文字のあしらわれたきもの姿で、同じくきものの少女と共に舞台中央へ。
わたくしは出演者の方々と響ホールとの調整役、本番では客席から拝見するのが役割りと心得、着席。岩崎さんの歩みは、会場の空気を一瞬で引き締め、観客の視線と意識を一身に集めてしまわれた。朗読は「今昔物語」より、心移りの夫が心映えのゆかしい妻の元へ戻る話。
荒木由美子さんは心身ともに尽された介護の話と歌。古今亭菊千代さんの落語「初天神」に子供たちとのコラボレーション、南京玉すだれ。美しい音色の吉武さんのハンドベルとあまるめ少年少女合唱団とのコラボ。
休憩をはさんで第二部。高田敏江さんの朗読は「2001年カブール」「夏の雲は忘れない」より。混声合唱で「長崎の鐘」「一本の鉛筆」が歌われた。
深野弘子さんは庄内出身の作家、藤沢周平「十三夜」で夫婦のきずなを。七人目の竹下景子さんは「葉っぱのフレディ」の朗読。響ホールの大きな舞台のために構成された映像まで用意して下さった。
◇いのちの再生
継がるということへ
フィナーレは竹下景子さんが詞を朗読されての合唱。コーラスポレポレ、同ひまわり、同ほほえみ、あまるめ少年少女合唱団、余目中学校合唱部。長谷部浩さん指揮で「大地讃頌」を歌い上げ、幕をとじたのです。
岩崎さんのひとの心根の置きどころから始まった公演は、介護、戦争、きずな、信頼をテーマに「葉っぱのフレディ」で生きること、人生の意味、生命の継承が示されました。
7人の演者とギター、ピアノ、琴、フルート等での助演者、そして太鼓や合唱の皆さまからのメッセージは、静かに深くしっかりと会場の方々へ届けられたとわたくしは確信しました。公演タイトル、「愛と誇りと」があふれる町に。一人ひとりのプラス1が加わることを望んでの2つ目の「と」の字。庄内町の明日が楽しみです。
◇KENちゃんガーデンからのお誘い
今回の会を繋いで下さった副町長奥山賢一さん宅の芋煮会の案内状を戴く。参加者はマイ箸、マイどんぶり、マイグラス(猪口)持参のことと。マイどんぶりとは、マイ箸暦24年のわたくしも仰天。そう言えば小袋に入れたマイ猪口、昔、彼らの前で自慢しましたっけ。奥山版「注文の多い料理店」環境バージョンですね。わたくしは東京で箸をくわえておりました。