家計に占める食費のパーセントがエンゲル係数。中学の教科書で習った。少ない方がよく、高い方は貧しい。中東で起きているデモによる暴動も実は、世界的な食糧価格の高騰が背景にあるという説もある。独裁政権が続く国々は、身内に厚く、民には厳しい食糧確保が続いているからだろう。日本は幸いにしてエンゲル係数が約20%、貧しい国はそれが80%だそうである。
日本も安閑としてはいられない。戦後すぐの食糧難の60年前は、日本の全世帯のエンゲル係数は63パーセントだったそうだ。現在の日本は小麦、大豆、とうもろこし等ほとんどがアメリカからの、輸入農産物。たまたま円高の恩恵を受けて、よその国ほど食糧高騰には至っていないが、国産農産物の安定供給の保証なければ、すぐ価格に反映されてしまう。うどんもソバも原料はほとんど輸入だからこれからが心配だ。世界の投機マネーが穀物相場に投入されているとも。熟議の国会にしたいというが、世界で起こっている事件について、このような国民生活に直結した議論があまりなされていないような気がする。
ところで我家の家計に見るエンゲル係数は、年金だけだと外食・晩酌を含めれば50%近いのではないか。これからますます、食料費が値上がりして行くのかと思うと不安がつのる。