わが家も発電所になったが…
東電から「電気料金値上げのお願い」が5月末に届いた。7月1日から10.28%値上げする。
理由は、原子力発電停止にともない、火力発電の燃料費が、前年に比べ約1兆円増加する。東電はコスト削減し合理化に努めているが、電気の安定供給には、家庭用電気の値上げはやむをえない。ただし、実施日と料金は国の認可を受けてからという。
電気料金の明細には、燃料費調整額の項目があり、燃料の価格変動は反映されるが、原発停止による火力発電量の増加分はカバーできないとの説明が付されている。
朝日新聞(6月1日)によれば、電気料金値上げの申請を産経省が受けたのは5月11日、専門委員会での審査を経て関係閣僚会議で正式認可する、そして6月20日に認可、値上げ実施は2ヶ月後というスケジュールが組まれている。値上げが妥当かどうかを判断する産経省が東電の申請前に、内諾を与えた「出来レース」だと報じている。実施日7月1日を延期して8月か9月にずらせば、政府はよくがんばったと国民の目に映る。値上げの前に「やることがあるだろう」。
太陽光発電を我家は5月に取り付けた。工事は1日で完了。その日から、我家の屋根が発電所になった。切り妻、南向き屋根が発電に好都合でしたと担当の家電店販売員が世辞をいう。
12センチ四角のモニターが壁にかかっており、「発電」―「消費」=「売電」が刻々と表示される。晴れた日には朝6時から夕方6時頃まで売電が消費電力を上回ってどんどん進む。1kw42円を10年間固定して売電できる。一方消費は我家の場合1kw23円である。東電は安く売って高く買い入れる。その差損は「太陽光促進賦課金」として電気料金に加算され、東電には損金は発生しない仕組みになっている。
ネットを開くと「太陽光発電はまだ買うな」との文字がでる。将来はもっと設置費用が安くなるという意味だろう。農家の家屋と違って細い柱だけの我家の屋根に太陽電池モジュールは重い、地震に耐えられるか心配もある。太陽光発電でCO2を排出しない、地球環境に貢献している意識は持てる。今期は大幅赤字の家電メーカーだが日本の家電技術は素晴らしいと思う。