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【金右衛門】
アメリカ農業労働者不足にひとこと

 先ごろ発表されたアメリカの農業を除く失業率は7.8%で少し改善された。大統領選挙が来月に迫っている時、グットニュースとして伝えられている。
 しかし、農業の労働者は不足していて深刻と報じられる。アメリカの4大穀物はとうもろこし、大豆、小麦、米である。これらの作物は機械で種まきをし、除草や病害虫は農薬に任す。収穫はトラクターの機械に頼る。それに政府の補助金が加わる。とうもろこしからエタノールを生産すれば新しい補助金が加わる。価格が値下がりすればセーフティネットが用意されている。このような大規模農家がアメリカの農業を支える。

米国農業、反省の時期?

 先ごろ発表されたアメリカの農業を除く失業率は7.8%で少し改善された。大統領選挙が来月に迫っている時、グットニュースとして伝えられている。
 しかし、農業の労働者は不足していて深刻と報じられる。アメリカの4大穀物はとうもろこし、大豆、小麦、米である。これらの作物は機械で種まきをし、除草や病害虫は農薬に任す。収穫はトラクターの機械に頼る。それに政府の補助金が加わる。とうもろこしからエタノールを生産すれば新しい補助金が加わる。価格が値下がりすればセーフティネットが用意されている。このような大規模農家がアメリカの農業を支える。
 ところが機械化できない農産物がある。いちご、ブラックベリー、すいか、桃などの果物、それにレタス、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜は機械化だけでは栽培も収穫も不可能。人手がどうしても必要になる。経験と知識だけでは農業を続けられない。野菜、果物、ハウス栽培には政府の補助金は出ないし、多くの輸入農産物もあり国際競争にさらされている。価格支持制度もない。
 農務省のデータによればアメリカの農家収入は、4つの品目とうもろこし、牛肉、豚肉、大豆で金額ベースでは半分を占める。最近の3年間でこの品目の販売額は3割も増加したが、その他の品目では1割強増えたに過ぎない。例えば、ワシントン州はりんごの産地。りんごの収穫には人手が要る。その人手が足りない。中国がりんごの生産を増強して、アメリカ人は中国産のりんごを食べなければならないのかと心配している。カリフォルニア州は農業州、かってないほど農業労働者が不足している。生鮮野菜と果物は人の健康維持に欠かせない。
 アメリカ人の健康を外国産野菜に頼って良いのかという議論が巻き起こっている。農業労働者は移民政策とも関連する。移民法が厳しくなり、外国人労働者が農業を手伝いにくくなっている。ジョージア州では畜産が伸び過ぎて、ペッパーやブラックベリーなどの野菜栽培が敬遠され、地域バランスを欠く農業になっている。
 意欲ある農家は、規模も拡大したいし、作物も多品種栽培したいが人手確保のめどが立たないという。
 アメリカ議会には現実的な移民法の改正を検討して欲しいという要望が寄せられている。アメリカ人の健康を維持するには、野菜や果物づくりの農業労働者が必要である。アメリカの国益がかかっているとキャンペーンを張っている。アメリカの行きすぎた儲かる農業の拡大に反省の時期が来ているようだ。

(2012.10.25)