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【金右衛門】
秋まつりにひとこと

 秋祭りがあちこちで行われている、埼玉県の"入間万燈まつり"(10月27―28日)に行ってきた。今年で34回目というから五穀豊穣を祝う秋祭りとしては歴史が新しいように思う。

村祭りが都市交流の場に


 秋祭りがあちこちで行われている、埼玉県の“入間万燈まつり”(10月27―28日)に行ってきた。今年で34回目というから五穀豊穣を祝う秋祭りとしては歴史が新しいように思う。
 昭和41年多くの市町村が合併して入間市(人口15万)になった。狭山茶の産地としても有名。また航空自衛隊基地もある。そのせいか、外国人も多い。近年は、都心のベットタウンとしても人口が急増し、新しい住民と昔からの住民との交流の場として“入間万燈まつり”が生れた。旧町村や神社が独自に行ってきた“燈火”を一同に会し、一年一度は市民全員が集まろうと“万燈”になったという。
 その燈には“夢”と書かれて町中にぶら下がっていた。市民、企業、市役所が一体になって祭りを盛り上げているようだ。催事の中で、わんぱく相撲の稽古はユニークである。交通規制した広い交差点にシートを引き詰めた仮設土俵を設け小学生から高校生までの約20人の学生力士が寒空にもかかわらず裸にまわしを締めて、登場した。指導者の掛け声の下に豆力士から四股を踏み始め申し合いまでする。TVで見たことのある相撲部屋の稽古場風景と同じ順序で動く。
 土俵の周囲は老若男女、外国人も混じった観光客が大円陣を組んで見物、力士達の四股踏みにあわせて大きな拍手。昔の村の神社のお祭りは奉納相撲がつきものだったようだが、その現代版再現のようだ。
 また、民謡流しもある。姉妹都市が新潟県佐渡島という。本場佐渡からおけさ踊りの数十人が参加、首都圏の佐渡人会からの応援もある。入間市の民謡団体も参加して街道のおけさ流しは250人という多人数の流しで沿道も盛り上がった。衣装は華やかだが、菅笠で踊り子の顔は見えず、若いか老女なのかは見分けが付かない。
 物産販売も盛ん。日本海の佐渡島で捕れたいか、ズワイガニなどの海産物が良く売れた。柿は6000個持参したが午前中4000個完売、2000個は翌日販売のため机の下に留保。佐渡島には入間市民用に夏の保養所があるという。入間万燈まつりの人出は2日間で推定23万人。姉妹都市の交流は双方に、活力と生きがい、さらに経済効果を生むようだ。

(2012.11.16)