日本は島国で、資源がない。原料を輸入加工し、出来た製品の輸出で生きると教えられてきた。物つくりの考え方である。日本の陸地は37万平方キロメートル、しかし、日本列島周辺にある有人の「離島」は6847島という(日本離島センター調べ)。離島の周辺の領海と排他的経済水域を足した日本の領土・領海は447万平方キロメートル。離島のお陰で日本は陸地の12倍もの海上範囲を実効支配出来ている。陸地だけの比較では世界で61番目なのに、離島を含めれば日本の領土・領海は世界の6番目に躍進する(「日本国境の新事実」実業の日本社)。
「聞いてみよう!島のくらし 話してみよう!島のじまん」アイランダー(Islander)2012が、年も押し迫った11月24―25日に東京池袋文化会館で行われた。主催は国土交通省、後援は農水省等。会場での島の出展ブースは63ヶ所。目的は島直送の物産販売と島のPR。1島でなく「諸島」として3島?11島合同の出展もある。
ステージが設けられ島の伝統芸能も披露するので150席ほどの簡易椅子席はファンで満席、舞台に上がる島が交代するたびに観客の大部分が入れ替わる。ブースを廻って北海道の利尻島の昆布を買った。長崎県五島列島は11の有人島と52の無人島があるという。島の特産椿油は美容にも料理にも使える。瀬戸内の島のみかんも買った。香川県粟島は癒しの島、何もないけど何かがある。からっぽの自分に合いに来ませんか? とある。毎年行われるイベントが周知されるようになり会場が混雑しているのが救いになった。
離島はいろいろハンディを負っている。とりわけ島からの人口流失と少子高齢化で困っている地域が多い。島への定住・求人情報で、都会の若者に離島への関心をもってもらうのもアイランダー催事の目的の一つだろう。沖縄県の尖閣諸島の周辺海底には石油資源が眠るといわれる。外交は勿論大切だが、もう少し国民が多くの「離島」に関心を注いでも良いように思う。
(金右衛門)