石破農水大臣は、コメの減反廃止に強い意欲を持っているようだ。なぜ減反廃止なのか。
(1)農業は税金を使い過ぎる
(2)国際競争力を強める
の2つが理由らしい。市場原理主義者の主張とそっくりだ。
去年は市場原理主義者たちの暴走で穀物の国際価格が暴騰し、世界の各地で政府に対する激しい抗議運動が起きた。政府が食糧供給の責任を果たしていないことへの抗議だった。
わが国でも国会では、多くの議員が「国策」として食糧を増産すべし、と言っていることを、新聞などが熱く伝えていた。その頃は「農業は税金を使い過ぎる」などと言う議員はいなかった。
あれから1年しかたっていない。最近、大臣から「食糧自給率向上」という話は聞こえてこない。減反を廃止すれば食糧自給率が上がると思っているのだろうか。
「国際競争力を強める」というのだが、いまの政府は、農業には市場では評価できない「多面的な価値」があると考えている。大臣はこれに反対なのだろうか。市場競争力が何よりも重要というのが市場原理主義者の主張の原点なのだ。
競争と協同を調和させた農政を期待したいのだが・・・